三重県の押印廃止について

11月16日の神奈川新聞に「はんこが悪者 なぜ」と言う見出しで一面に掲載されました。
今までに様々なメディアから何度も取材は受けていまして今回もデジタル化には賛成、
ただ政府の発言を取り違えた誤解から、影響を受けていると言う現場の声をお伝えしました。
加えて僕が河野大臣の地元と言う事もあり、大臣のSNS投稿にも触れ地元紙らしい内容に。
どうしても僕個人の気持ちが前面に出てしまった部分がありまして、良くも悪くも内容に作用し、
結果として様々な賛否の声を頂いています。

勘違いされるのは嫌なので一言だけ伝えさせて頂くと、変化を恐れ古い伝統にしがみついて、
今のままでいたいと、既得の利益を守りたいと我儘を言っている訳ではありません。
正しい事には正しい、間違っている事には間違っていると伝えたいだけです。
また僕も法人の代表者の端くれです、会社経営は心配されるまでもなく考え行動しています。
それよりもデジタル、新しい、早い・・・合理性だけを「良い」とする風潮が恐ろしく思えます。
大切な事はしっかりと見て、自分の意思で判断したいですね。

さて前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
政府から「押印廃止に関しては目途が付いた」と言う発表があり、東京都や神奈川県は
すぐに国に倣い動くと思っていた矢先、11月17日に三重県のニュースを知りました。
※本来は無駄な押印の見直しなのに、もうすっかり押印廃止と言う言葉になっていますね;

「三重県、押印1500件廃止へ 庁内会議で改革課報告 知事は全廃検討を指示」
全国で先駆けてスマート改革推進課の元で進めている様ですが驚くべきは鈴木知事の発言です。
 ・大事なことは、押印の廃止を早く決めること
 ・廃止できない理由は基本的にないと思う
 ・特例が残ると、デジタル化なんて絶対できない
 ・三重県庁だけが取り残されることはあってはならない

地方行政でも無駄な行政手続きの見直しはどんどん行って頂ければと思います。
その為にデジタル化が必須で、その問題点が必要のない押印ならば廃止して然るべきでしょう。
しかし「大事なことは押印の廃止を早く決めること」などと言う言葉はありえません。
明らかにデジタル化する事、そして押印廃止が目的となっている典型例です。
「取り残されることがあってはならない」のは県庁ではなく県民の皆さんです。
拙速な制度改革、取り残される方々は本当にいないか?そこを考えるのが行政でしょう。
知事に振り回される県庁、そして市町村の現場の方が気の毒でなりません。

そもそもですが、何故にそこまで急ぐのでしょうか?
スピード感と言う言葉の気持ち良さに陶酔しているかの様に感じます。
また急ぐあまり手段が目的にすり替わっているなど、愚かにも程があります。
見直しをしない前例主義は時に悪です、しかしただ新しい物を良しとして急ぐ、
合理化と言う物差しのみで物事を判断するのは大きな危険性があります。

そもそもですが、何故にはんこ(押印)を目の敵にしているのでしょうか?
はんこで面倒な思いをした方は多くて、敵として仕立てやすかったのでしょうが、
目玉と言うにはあまりにも小さな所に目を付けていると感じます。
もっと見直すべき点はたくさんあるのではないでしょうか。
素人の意見ですが、僕は最初に見直すべきなのはと問われれば選挙と答えます。
大切な選挙ですがそれ自体が国民にとって何かを生み出している訳ではありません。
むしろ膨大なコストとマンパワーを定期的に消費している、アナログの最先端行事です。
またテレワーク推進や合理化を謳うのなら、そもそも国会(議会)は・・・とも思ってしまいます。
改革は行政にとって一番身近な所から徹底的に見直しをして頂きたいと強く願います。

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