実用印作品の作り方

2017年9月16日投稿

9/10(日)は大印展(だいいんてん)と呼ばれる、展覧会の出品締切日でした。
出品した部門は認・実印の部、実際の仕事に1番近い部門です。
課題はNHK大河ドラマから「祐圓」「井伊直虎」でした。

実用印をいかに美しく彫るか、が勝負所のこの部門。
3年前に金賞を頂き無鑑査作家となりましたが、勉強の為と出品を続けています。

いつも期限ギリギリの出品になる事が多いのですが、今回は何と締切当日!
日曜日夕方に営業をしている本局へ駆け込みました;

Facebookで実用印作品を作る上で気を付けている事を綴った所、
WEBサイトにも載せては?とアドバイスを頂いたので1部修正をしてアップします。

私の実用印(実印・認印)作品の作り方。
先ずは様々な字典から、実用性がありかつ美しい文字を選び出す。
1文字だけの美しさではなく、2文字(4文字)揃った時にいかに纏まるかを考える。
紙の上で印稿と呼ばれるデザイン(設計図)を描く。
推敲を繰り返して全体の雰囲気や文字の重心を定める。
ある程度纏まったと感じたら、極細部は見ずに普通の柘材(丸棒)で1本彫る。
倍寸印稿、例え原寸だとしても紙の上で鉛筆で描いたデザインと
朱で捺した印影は空間の見え方が全く違うので。
印影・・・朱で捺されて初めて見えてくる太細・堅柔・鋭鈍・疎密。
印影から浮かび上がる様々な表情をしっかりと見る。
原寸印影を見ながら微調整。
細部(コンマの世界)で文字の遣り取りをして頭の中で印稿完成。
頭の中の完成図が見えている内に本番用の柘駒材へ字入れ。
直ぐに彫らず最低一晩は寝かして再チェック、後は一気に彫り上げる
あくまで実用印(実印・認印)作品、角印作品の場合はまた違います。

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