廃止は短絡的と魂の叫び

はんこ大好きなロマ・トニオロさんの記事を紹介します。
合理化という物差しだけで判断しないで、と言う内容を優しく柔らかに伝えています。
僕も彼の様な言葉で伝えたい・・・!

フランスの“はんこ王子”、廃止は「短絡的」と魂の叫び…日本文化大好きでコレクション130個https://hochi.news/articles/20201113-OHT1T50231.html

※下記はリンク先の記事内容のコピーです
菅義偉内閣が誕生してすぐ、政府は行政手続きで印鑑使用を原則廃止するよう全府省に文書で要請した。日本中に「脱はんこ」が一気に広まる中、テレビ東京系「YOUは何しに日本へ?」など数々の番組に出演する日本文化大好きのフランス人モデルのロマ・トニオロ(30)は「はんこがなくても生きていけるけど、精神は死にます」と訴える。約130ものはんこコレクションを持つという“はんこ王子”に話を聞いた。(瀬戸 花音)

 行政手続きのデジタル化は、新型コロナが追い風となって急速に進み始めた。テレワークが推奨されながら、はんこを1つ押すために出社をしなくてはならない。そんなことをなくすため提案された「脱はんこ」。便利になる日常に喜ぶ日本人が多い中、“はんこ王子”のロマは「すごく悲しい」と肩を落とす。

 「今のシチュエーションはとても特別でしょ? コロナ禍で脱はんこというのは分かる。それはいい判断。でも、永遠に続くんですか? これがずっとのルールになるのは、あまりにも短絡的ではないかと思います」
 子供の頃から日本の着物や武士道に興味を持ち、日本旅行のために情報を集めている中ではんこの存在を知った。「銀行口座をつくったり、家を借りたりできるはんこはすごい! 魔法みたい!」と感動した。13年に初来日した際、「YOU―」の密着取材で一躍人気者に。翌年から日本でモデル、タレントとして活躍しながら、はんこを買い集めた。

 今では約130個持っているというはんこの魅力は「ふたつと同じものがないところ」。それはセキュリティー面での長所でもあるが、それだけではない。「ひとつひとつ違うはんこっていう物は、個性を具現化したようなものでしょ。はんこがなくなるっていうのは、オリジナリティーが消えていくひとつの例なんじゃないかという不安がある」

 行政上の手続きで不要になっても、日本の文化としては残っていくかもしれない。だが、日常で使われることの大切さを訴える。

 「博物館とかに展示されたりはあるかもしれない。でもみんなが『はんこ? はっきりとは知らないけど昔あって…』みたいなふうにはなってほしくない」

 「みんなは必要なものしか使わないから」。母国フランスでも、手紙を送る際に使われるシーリングスタンプがスマホの普及とともになくなりつつある。世界全体のデジタル化そのものに警鐘を鳴らす。

 「はんこがなくなっても、みんな生きていると思う。誰も死なない。けど、だんだん精神は死にます。今は全部スマホでできる。でもそこに何が残りますか? すごいすてきなコンピューターでも本当のコミュニケーションにはならないから」

 はんこはそれを押すために出向き、人に会わなくてはならない。そのひと手間に込められた意味を、日本人がもう一度考えるきっかけになるかも知れない。

 「イージーじゃないから。それがいいです。全部イージーになったらつまらないでしょ」

◆ロマ・トニオロ(Roma Toniolo)1989年11月28日、フランス生まれ。30歳。8歳からスケートを始め、高校時代はプロフィギュアスケート選手とモデルを兼業。高校卒業後はヘアメイクアーティストの資格も取得。14年から日本で本格的にモデルとして活動。テレビ、CMなどに出演している。

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