名前と印章の想い出-6

「無銭飲食だ、通報しろ」と息巻く店員達。
一人で来た高級レストランで免許証等全て入った財布を忘れたのだ。
唯一の郵便局の通帳を提示しても「本人の物かわからない」と、全く犯人扱いだ。
一人暮らしで近くに身内もないが、まさか飛行機に乗ってまで来てもらえない。
もう必死でバッグを引っかき回す。
あっ局の印鑑だ!
途端に店員の態度が一変し、それらを置いて(通帳を担保に」すぐに取りに帰れ事なきを得た。
まさに印鑑様様の一件であった。

奈良県(34歳)

公益社団法人全日本印章業協会
「名前の玉手箱」名前と印章の想い出
55頁より

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